水耕栽培が農業活性化の秘訣って本当ですか?

水耕栽培が農業活性化の秘訣って本当ですか?

本当です。農業問題はきれいごとだけでは済みません。

 

最近よく耳にする水耕栽培とは、植物を土に植えず、肥料を溶かし込んだ溶液で育てる栽培方法のこと。
だから、正式には溶液栽培という。

 

「そんなの野菜じゃない!」という声が聞こえてきそうだけれど、水耕栽培の野菜は意外に身近なはずだ。
例えば葉が薄く、サラダ用に最適な「サラダほうれんそう」は、溶液栽培ならではの産物。
糸ミツバは大半が水耕だし、トマトにも水耕がある。

 

水耕栽培は害虫の被害を受けにくいため有機栽培がしやすい。
しかも栄養分がダイレクトに吸収されるので土耕にはない芸当も可能だ。
ほうれん草などの葉菜類は収穫1週間前に肥料を抜いて水だけにすると、糖分もビタミンCもあっぷすると同時に、低硝酸になるという。

 

「野菜にとっては土でも溶液でも同じ。土での栽培でも、最終的に土の隙間にある水煮溶け込んだ養分が、根から吸収されるわけですから」と言うのは、千葉大学園芸学部の教授。

 

植物の生育に必要なものは、水、栄養分(肥料)、酸素。
必要なものだけが十分にある天国的状態のもと、野菜は土耕栽培の約3倍のスピードで育つ。
季節や天候にもかかわりなく周年栽培が可能で、ほうれん草などは1ヵ所で年16回もの収穫ができるそうだ。

 

さらにパソコンでのコントロールで省力化・自動化できるので、快適な労働環境も実現できる。
つまり企業向き、これからの農業向きなのだ。
「将来、農業は小規模経営で消費者が信頼を生産者が生きがいを感じられる有機的な農業と、大規模で起業的な経営に2極化していくと思います」と教授。

 

実は水耕栽培には課題も多い。
例えばコスト。
野菜工場の建設には莫大な費用がかかるだけでなく、エネルギー効率に関しても研究の余地は大きい。
また、最先端の完全閉鎖型の工場では光量が少ないので作れる野菜の種類があったり・・・。

 

その他にも、分析上の栄養価は変わらないとして、野菜本来の持つ力や抗酸化作用は?
排水問題や消毒の課題は?
などなど、いろいろとある。

 

とはいえ農業従事者が減り、高齢化も進む現代にとって、野菜工場は重要な技術。
これからの技術革新に期待しよう。